奥四万の山々
2019年 03月 04日
静かすぎるスノートレイルへ。
今年の厳冬期はあっという間に終わってしまった。もっとパフパフな雪で滑りたかったけどもう残雪期。ぼちぼちハイクを再開しないとな。
というわけでメジャーな雪山に行ってもつまらんな!と思った僕が久しぶりのハイクに選んだのは奥四万の山。ってか奥四万ってどこだよって話っすね。グンマー県民のハイカーでも相当なマニアじゃないと知らないはず。そう、超〜マニアックな山なんです。
四万温泉は有名だと思うが、そこに流れ込む日向見川ってのがある。その流域をぐるりと囲んでる
栂ノ頭、コシキノ頭、木戸山、新行山
これですわ。無雪期は激藪に閉ざされてるので夏道なんてものは無く、積雪期の今じゃないと基本的には登れない山。もちろん藪を漕いで登ってるいい意味での変態ハイカーの方達もいるけど。
ここ数年、このエリアがとても気になっていた。渋すぎる山域だけどこういうの大好きなので経験を積んだ今なら行けるはずだw
でまぁ先週の土曜、最寄りの白砂山の登山指数C!GPVでは朝方まで雪、そして強風!!というちょっと二の足を踏んでしまうようなコンディションだったが決行してきた。もしヤバそうなら引き返せばいいやって。
…ってかこういうバリエーションやる時は男長がいれば済む話なんだよな…ブツブツ
摩耶の滝遊歩道入口に駐車。幸い天気はいいみたいだ。予定では下山時、このすぐ近くに出てくる予定。スノーハイク一式を担ぎ6:30に出発。
今回コンパスで提出した登山届けに、久しぶりのガチハイクにも関わらず14時下山予定という結構なタフ行程を書いて出してしまったのでなんとか降りてきたいところ。オーバーし過ぎると嫁に連絡いくしw
摩耶の滝遊歩道を少し歩いて1190m点を目指し適当なところから斜面に取り付く。分かっちゃいたけどかなりの急斜面なのでのっけからストックワーク全開でw
やはり前日少し雪が降ったみたいで枯れ葉の上に薄く積もった雪がよく滑る。はっきり言って不快だ。
稜線に乗ると雪が出てきた。1200mより高いところでは普通に雪を踏めるように。トレース無し!これですよ、これ!
気温が低く、潜らない最高の雪!まだまだアイゼンも必要無し。
1287mピークの辺りで地形図に無い岩場が現れた。右が切れ落ちていてそのまま突破するにはリスキーなので左から巻いた。雪の状態によっては緊張するかもしれない。
そのあともう一ヶ所岩場有り。ここはさっきの岩場よりも嫌らしい。今回は固く締まっていたので難なく通過出来た。
栂ノ頭の直下でアイゼン装着。無くても行けるけど傾斜が増してきたし着けた方が楽です。
結構エグい急登を前爪ブッ刺して登っていくと栂ノ頭が目の前だ。ここは気持ちいい場所です。
多分このピンクテープが山頂かとw
日向見川を挟んだ向こうの尾根は下る予定の尾根。まだまだ遠い!
栂ノ頭から進路を西に変えてコシキノ頭に向かいます。ここまで来ると風も強く寒いくらい。でも体が持ってかれるような風ではないし予定通り先に進むことにします。
この辺りからツボ足だと潜り始めたのでスノーシュー装着。これで機動力がかなり上がった!
眼下には四万温泉。さらに奥には榛名山。北に目をやると平標山から仙ノ倉山。僕以外誰もいないここと違ってあちらは混んでるんだろうなw
群馬県境トレイルの山々も。あれはセバトの頭とか上ノ倉山かな?このトレイルは群馬県境トレイルのすぐ南なのでとにかく県境トレイルの眺めがいい。
雰囲気のいい雪原だ。奥の山はこれから踏まなければならない木戸山。クッソ遠いぜ!
本当に自分のトレースだけ。人の気配無し!最高です!
コシキノ頭が見えてきた。このピークは下から見るとまるで槍ヶ岳のように尖ってて今回の行程中、コシキノ頭の登下降が核心だと思っていた。
真ん中のピークです。かなり尖ってるw
正直登りは大したことなかった。笹をホールド代わりにすればOK。問題は下り。何故なら…
シャクナゲが藪ってたからだ。それはもう写真では伝わらない酷さで行く手を阻んでくる。しかもかなりの急斜面。シャクナゲを交わしながら下りすぎると目当ての尾根から外れるので地形図確認しながらなるべく左寄りに進路をとる。あ、左に寄り過ぎると切れ落ちてます。
脱出してコシキノ頭を振り返る。まぁまぁな岩山だったw
たかが100m下るのに15分くらい格闘したのか。でもこれで核心は越えた。もう快適なスノーハイクしかないはずw
時刻は9時半過ぎ。タイム的に余裕が出来てきたし1644m付近のフラットな森で初めての大休止。ここはテント張ったら気持ちいいところだろうなぁ!
白砂山と上ノ間山が目の前だしロケーション最高だしね。なんならここから北西に派生してる尾根を辿れば群馬県境トレイルまで行くことだって出来る。もちろんこの時期限定なんだけど。そういう計画しても楽しそうだw
コーラが終わったので完全飲料ハワイアンパンチを仕込むw 今年は箱で持ってるし遠慮なく飲むことが出来るwww
このルートは1644m点から1611m点を経由して1730mピークまでの間が一番展望が良く開けていてハイライトと言ってもいい。フラット部分の森の雰囲気も抜群だ。この斜面なんてスキーで滑ったらもう…なんて妄想してしまうw
その分ガスが出るとヤバいのもこの区間。今回は晴れてたから良かったけど、ガスってたらコンパス使えないと非常にマズいと思う。
最高でしょ?霞がかってるけど武尊山、赤城山、それに僕らのソウルマウンテン子持山も見えた。先週に引き続き THE DAY いただいちゃってますw
進路を南に変更して木戸山手前の1742mピークを目指す。まず1730mピークからの下りがスノーシューだと厄介で変な筋肉使って攣りかけたw ツボ足ならおそらく問題無し…だけど潜るし。
右手には八間山と草津白根山がお目見え。本当に天気がいいw
1742mピークからの下り。ここもスキーならな〜と思わずにいられない。
歩いてきたトレイルがよく見えた。こう見るとなかなかの距離だなw 木戸山まではもうひと登り。
木戸山直下にはまたまた最高の幕営ポイント有り!
着きましたー!疲れたー!!なんとか無事にここまで来れてとても嬉しい。ようやく気になってたピークに立てたけどここって展望もクソも無いorz
この標識は人のいない山に行くとよく見かけるけどネットで調べたら多分「すかいさん」という方のものみたい。個人的に好きです。
11時過ぎなのでここでお昼休憩。と言ってもランチパックとハワイアンパンチのジャンキーランチだけどねw
下山は進路を東へ。木戸山から少し戻って東に伸びる尾根に乗ります。ここも序盤はスキーが…って思ってしまう斜面w
左には歩いてきた稜線。その奥には谷川主脈。やはりあっちは賑やかだろうねぇ。
1342mピーク手前で笹藪が多くなってきたのでスノーシュー外した。と同時に真新しい熊の足跡(2足分だったので多分親子?)を発見してしまった。ほんとついさっきというヤツだ。
奥四万は熊が多いと聞くし、ここ最近の気温では冬眠から覚めていても何ら不思議じゃないでしょう。ここまでは個人的に熊鈴よりも効果絶大だと思ってるBTスピーカーでチル系ミュージックを鳴らしながら歩いていた。しかしこれを見たことにより流す曲を爆音メロコアに!だって怖いじゃないですか!!おかげで鉢合わせは回避出来たわけだ。人のいない山は鈴よりもラジオとか音楽の方が熊除け効果高いでしょw
1342mピークから再び南に進路を変え最後のピーク新行山へ。地形図には名前出ていないけど1171mがこれですね。
ここからは東の尾根でも南の尾根でも降りることが出来るけど僕はダイレクトに車に戻りたいので東の尾根へ。そしてここからが最後の核心になる。
この尾根は途中で二俣になるが右に乗るとそのままR353のトンネルの上を通って日向見の温泉街に出てしまう。そうすると観光客に白い目で見られそうだ。なのでR353が大きく右にカーブする辺りに降りてこれるように左の尾根に乗る。
しかしこの尾根は途中からかなりの急斜面で懸垂した方が早いんじゃないか?というレベルだ。ストックを仕舞い腐ってポキポキ折れる雑木をホールドになんとか下る。もし滑って落ちたらまぁ痛そうだ。
途中から杉の植林になるが相変わらず傾斜はキツい。下の方に道路が見えた〜終わった〜と思ったら道路じゃなくて日向見川だった…。しかしこれが功を奏し素晴らしい発見をした!!
なんと未発見の巨大なボルダーがゴロゴロしてるじゃないか!しかもランディング良くてガチャガチャしてる割に岩も硬い。一通りチェックするとホールドもなんとか繋がっているしおもしろそう!!今までならスネ夫に連絡して終わり〜だったけど今は登攀熱が高いので自分もやりに来るぞ!!
…が、ここは四万温泉。あと3ヶ月もしないうちにヤマビルが席巻するだろう。この岩だって例外ではないはず。それまでに一度は登りに来たいけど本格的にやることになるのは来シーズンかな。とにかくいい仕事したわw
ボルダーのところからは歩道になっていて写真の橋の欄干のところから出てこれた。車はもう目の前。なんだかんだ結果オーライだったんだなw
ボルダーで油を売りまくったのを入れても13時半に戻ってくることが出来た。トータル7時間で休憩は合計で30分くらい。日和った下半身の割にまぁまぁ歩けたか。
…これでまた一つ県内の気になってるルートを消化できた。万人にオススメ出来るルートではないが、ルートファインディング出来て静かな山歩きがしたい人にはいいと思います。でも雪の状態を見極めて行った方がいい。藪が出てると時間も掛かるし。
今週末は念願の雨ヶ立山だ!!
ripa overnight pack は雪山デイハイクにピッタリ!外ポケット使えなくなるけどスノーシュー外付けした姿も様になる!!
おしまい
by gyalic_18000
| 2019-03-04 20:28
| 群馬の山
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