裏越後三山 -Day1-
2016年 10月 17日
遂に数年越しのあのルートへ!
何年か前に初めて荒沢岳に登った時に見た、その先へと続く極上の稜線。その時は知らなかったが後で調べてみると
「裏越後三山」
と言う名前が付いていることを知った。八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳を総称して越後三山と呼ぶのは有名だけど、八海山の代わりに荒沢岳を入れて裏越後三山と呼ばれているのはあまり知られていない。
その時にもともと越後の山が好きだったのもあってこの裏越後三山を歩きたい!と、漠然と思うようになり何度も企画した。しかし縁なく毎回のようにトラブっては行けず。そんな事を何年も繰り返した。
今年もヤマカミブラザーズとのワンデイ裏越後三山に先週の3連休と2度も流れてしまう始末。しかも22日には荒沢岳の鎖を撤去するというではないか!もうチャンスは今回のみって訳だ。
いつもは10月第3週は地元の行事が入っているんだけど今年は休ませてもらうことにした。幸い天気予報は土日共に快晴予報!唯一の懸念材料は一緒にこの山行に思いを馳せていた男長が来れなくなってしまった事か。まぁ許せ。行く時は喜んで付き合うさw
…という事で当日の朝6時に家を出た。なんせ初日は行程の3分の1を歩くだけだ、勝手知ったる越後の山だし急ぐ必要はないかなw
ビックリしたのは六日町〜小出間の霧の濃さ!あんなに晴れていたのにこの間だけはあり得ないくらいの霧!え〜マジかよ…と思ったが、奥只見に着いた時には綺麗に晴れていた。
7時半に着くと荒沢岳登山口のPは満車どころか路駐まで!さすがにここ最近の週末=雨の図式にウンザリしてるハイカーばかりだったんだろう、ここぞとばかりに押しかけていた。まぁ僕もその内の1人なんだけどねw
少し戻って白光橋のPに停めた。こっちはガラガラ、路駐してる奴らはここに停めればいいのに。歩いてもたかが5分なのにな…
上で快適に過ごす為にビール5本入ったHMG。やっぱりなんだかんだ言ってもこのバックパックの出動率は高い。見た目、背負い心地、丈夫さ、どれを取っても好きだなー。ちなみに酒のツマミは乾物クソ野郎スタイルw
登山届けを提出し出発。分かっちゃいたけど重いバックパック担いでヤマカミブラザーズと登った時のようなペースで無慈悲な急登を登れる訳がない。しかもどっかの風邪っ引き野郎に伝染されたであろうせいで週の頭から風邪気味で病み上がり。ま、急いでもね…って事にしてゆっくり登ります。
今年は紅葉のハズレ年みたいですね。気温も下がらず雨も多かったので、赤よりも茶色の目立つ紅葉でした。それでも十分綺麗だったけど。
前嵓も微妙…。
今回初めて前嵓を重い荷物担いで登ったけどちょっと緊張感増すな〜と。決して難しくないんだけどなんか後ろにひっくり返りそうでw
実際一人超危ないオッちゃんがいて
「いや〜私には敷居の高すぎる山だったよ、ハハハ!」
って僕の前で滑落しそうになるし!本気で心配したなぁ初っ端からww
前嵓から見る奥只見湖はまた格別。
さぁ、初日の核心であろう最後の激登りをやってしまいましょう!…って全くスピードが上がらずギリギリだった。まさに荒沢岳でフルボッコ!そんな感じでw
この山はこれを登りきると正面が開けて最高なんだけど、ここで写真撮っていたオッちゃんがいて
挨拶したけどガン無視。むしろ「うるせーな、失せろ!」ぐらいの感じで睨んできた。頭にきて、
「いい年こいて挨拶も出来ねーのかよ!」
って捨て台詞カマしてやったら何か言いたげだったけどそこはまぁ…。
山頂も当然Pの車の数だけハイカーがいる訳でかなり混んでいた。奥只見屈指の好展望の山でこの天気、仕方ないんだけどね。
登ってみれば2時間半くらいで到着。軽く補給してすぐに出発。さぁここまでは辛いアプローチみたいなもの。ここからが今回のメインの始まりなのである!
ついにこの先へ進めるんだと思うと年甲斐もなくワクワクしてしまう。いや、本当に素晴らしいんですよ、ここ!多分、山やってる人で初めてこの景色見て歓声を上げない人はいないんじゃないかってくらい!
正面に中ノ岳、越後駒ヶ岳。左手には平ヶ岳に燧ヶ岳etc…。そしてこの天気。僕の顔は終始ニヤけっぱなしですわw
それに荒沢岳を過ぎると誰一人として歩いていない。静かで本当に気分がいい。ただ、これだけの奥地で人の気配無し。黒い獣のリスクはかなり高まるので仕方なし、熊鈴をガンガン鳴らして歩きます。
こんな標識が至る所にあるので迷いようもないし安心。完璧に刈り払いがされていてとても歩きやすいです。でも刈った後の笹が滑るかな〜それだけは気を付けていた。
中ノ岳。
越後駒ヶ岳。
どちらも名峰でしょ。新潟の山はアクセスが悪いからなのか、営業小屋がないからなのか、水場が少ないのか訪れる人はそこまで多くない。だからこその静かな山歩きが出来るんだよな〜勿体無いよな〜とか思いながら誰もいないトレイルを満喫w
まずは灰吹山。ここを過ぎると結構いい感じに開けてきます。
アップダウンはそれなりにあるものの、そこまでキツくないので気持ちいい。気温は思ったよりも高くかなり暑い。この時期はメリノウールを愛用していて、今回は山と道のヘンリーネックを2日間通しで着ていた。まぁ臭わないって大事だよね。乾きもいいし。最低限のエチケットも蔑ろにする奴はあまり好きじゃない。
ちょうど3時間強歩いた所でいい景色を前に腰を下ろして大休止。聞こえるのは風の音のみ。味気ないコンビニのおにぎりもこういう所で食べれば美味さ3割増し…ってみんな思ってるかw
荒沢岳もあんなに遠くに。今回は時計回りだけど、逆周りは最後の荒沢岳への登り返しが辛そう…
溜息が出る美しさ。
この縦走路は何ヶ所かこんな感じのテントスペースがあったが、多分ルート整備の方達が止まるためのスペースだろう。自分達はただ歩いて「最高だね〜」とか言ってるだけだけど、こういう方達のお陰でって事を忘れないようにしないとな。今回はこんな奥地を歩かせてもらえることに対して感謝の気持ちが強かった。いや、本当に。
灰ノ又山の登りで漸くハイカーに会った。逆から歩いてきたと思ったら、足の調子が悪く泊まるのを諦めUターンして今日中に下山するという。
「いやいや、だったらテン場すぐそこだし泊まって明日ゆっくり降りた方がいいんじゃないですか?」
って提案してみたが、やっぱり降りると言う。ヘッデン下山も辞さない覚悟とも言っていた。なんか本当に勿体無い…。荒沢岳の登りでも1人声掛けられて、寒そうだからやっぱり日帰りにしたってハイカーがいた…
まぁ人それぞれ。僕は行きますよ!灰ノ又山を過ぎるとかなりご機嫌なスカイトレイルの始まり。もうテン場まではすぐだけど初日のハイライトだった。
この辺りを歩いている時は泣きたくなるくらい嬉しかった。何年も我慢してきた甲斐があった、報われた!って大袈裟だけど。でもそういう思いはずっとあった。思った通りの極上トレイルは確かに新潟の奥地に存在していた…
そんなしみったれた話は置いといて、ここを下りきったコルが今回のテン場です。
到着したのは12時過ぎ。約4時間半のハイクでした。まぁ時間と自分の歩行スピードを考えれば中ノ岳避難小屋まで行く事は出来る。でもそんなのつまらないでしょ!このテン場は敢えて2日目の行程を辛くしてでも泊まる価値のあるロケーションだと思ってます。
こんな草紅葉にkhufuを張れるなんて!最高じゃないっすか…。でも腰を下ろしたらお尻に違和感。ん?冷たい!どうやら湿地のようで圧をかけると地面から水が染み出してくるorz
マジか…表面がカラッカラだったし油断した。
気を取り直して樹林帯へ。ここは安心。見栄張らないで最初からこっちにすれば良かったかなw
ここには2、3分降ると陽の水(沢筋の湧き水)がドバドバ出てます。寡雪だった今年であの量なんだから枯れる年はなさそう。
ってか枯れてたら急遽日帰りになるところだったのでホッとした。結局3往復はしたかな。急激に下るので地味に帰りがキツイという…w
と言うわけで自分以外誰もいないこの場所で酒でも飲みますか!このために辛い思いをして荒沢岳を登ったってもんです。これだけは決して外せないw
真ん中のエチゴビールのIPAは最近お気に入り。近くのファミマでも扱ってるので。
平ヶ岳に!!w
気持ちのいい陽気にほろ酔い加減、ミニマリストパッドに横になりPodcastを聴きながらメローな時間が過ぎていく。景色も素晴らしいけどこのご機嫌な時間は何よりも重要。料理なんかするよりも1人なら乾物クソ野郎スタイルでゴロゴロしてた方がいいわ…w
15時過ぎに女性が2人到着した。今日はここじゃなく、兎岳まで行って張るらしい。2日間で周るって言ってたけど最終的に明るい内に下山出来たのかな?なかなかいいペースで歩いていたので。
夕方、暇なので巻倉山まで登ってラスト1本。この時間になると気温はかなり下がってキャプ4とナノエアで丁度いいくらい。昼間と夜の狭間の山を楽しんだ。
ヤマカミブラザーズのペロ君が張ったのはここかな?今思えばここにしとけば良かった…
巻倉山の途中からテン場。結局、僕を含めソロの男性が4人。運の悪いことに僕の両サイドに張られてしまいイビキとラジオの音に悩まされたのはここだけの話www
シュラフには19時くらいに潜り込んだ。podcastを3エピソード聴いたくらいで寝落ちしていたが嫌な夢とムフフな夢を両方見て何だかな〜って夜だった。
23時くらいに起きて外に出てみるとスーパームーンかよ!って程に月明かりが凄くて暫く眺めていたが寒くて再びシュラフに潜り込みそこからは4時まで眠ることが出来た…zzz
Day2に続く…
by gyalic_18000
| 2016-10-17 15:35
| 新潟の山
|
Comments(0)