残雪の未丈ヶ岳
2016年 04月 03日
そろそろ新潟も残雪期ってヤツなので。
そろそろkhufu cerroを張りたいなーと思ってたので行ってきました。3月も終わって4月に突入、雪も締まっていわゆる残雪期ってやつです。この時期は越後の山に行くしかないでしょうw
今、残雪期の新潟で行きたいところは3つ。
1.十字峡から桑ノ木山を経てネコブ山
2.毛猛山縦走
3.奥只見から日向倉山を経て未丈ヶ岳
これです。
ネコブ山は団長を連れて行こうと思ってるので毛猛山に行くことにした。3つの中で一番思い入れがある。
ところが朝起きたらなんと5時!!まさかの寝坊かよ…しかも天気がクッソ悪い。とりあえず毛猛山は諦めて奥只見に向かうことにした。最悪、日向倉山ピストンのつもりで…時間的に未丈ヶ岳は厳しいと思ってた。
湯沢で高速降りて下道で銀山平まで行こうとチンタラ関越を走ってるとトンネル抜けた瞬間パーッと晴れている!
マ、マジか!?
あまりの晴れ具合に小出まで関越使って銀山平へ急ぐ。シルバーラインのトンネル地獄も慣れてしまった〜
白岩橋のところに車をねじ込む。さすが奥只見、少ないとはいえグンマー人の自分からすればすごい雪!それにしてもこの駐車量、結構人が入ってるねw
ササっと準備して7:30出発。時間的に日向倉山まで行ってみて未丈ヶ岳はその時に判断することにした。ダメなら適地で幕営〜からのビアだなw
尾根目指して支稜を登る。バックには大好きな荒沢岳。雪のコンディションも悪くない。ザラメっぽいが埋まったりはなくて歩きやすい。
相変わらずBCの誘惑もすごかった。ってかスキーの機動力の高さが本当にヤバかったな〜
あっさりと日向倉山への稜線に乗った。まだまだ遠いが結構飛ばしているので休憩もなく出発。ここからはすんごい好展望のトレイルが延々と…延々と続きますよw
広い雪原のようなヤバいトレイルを歩きます。幕営適地を見極めながら歩く…ってここ、どこでも張れそうだな。一箇所すごくいいところがあったので目星を付けて先を急ぎます。
中央が未丈ヶ岳。まだまだはるかに遠く時間的に大丈夫かよ!?…と、心配になる。
振り返ると裏越後三山が半端なく綺麗だが雪庇のクラックには大いに気を付けて。
山頂直下の急登を詰めれば日向倉山に到着。360°大展望の山だ。この日向倉山は結構人気あるみたいでここまではお手軽だしハイカーも多いらしい。テント張った跡もチラホラと。
会津駒ケ岳もよく見える。グンマーは曇っていたし燧ヶ岳や平ヶ岳はガスの中だったが。
真ん中が未丈ヶ岳。日向倉山に着いたのは9:15くらいなのでやっぱり行く事にした。これだけ天気よくて行かないのも損だし。
雪庇のデカさはさっきまでの比ではなく、クラックも怖い。右には寄れないし左も急傾斜が谷底まで続いてるので全く油断は出来ない。それでも雪質的にアイゼンは必要なかったが。
斜面の雪は亀裂だらけでいつ雪崩れてもおかしくない感じ。自分のいるところが雪崩れたらと思うとなかなか怖い…
この急斜面を登りきると1371mピークに出る。未丈ヶ岳までの最終ピークで例に漏れず大展望w
やっぱりいいよ〜裏越後三山!
さて、ここから本日の核心部に入っていく。ネットでここはいつもこうなると書いてあったが…
分かり辛いけど崩壊した雪庇と藪、岩交じりの嫌〜な感じの細いリッジ。右側はまだいいものの、左側の斜面に落ちたらはるか下の谷まで止まらないだろう…。慎重に下っていく。
ピッケルを刺し藪を掴み…たまに踏み抜いてドキッとしたり…でなんとか通過。かなりドキドキした。そこまで雪も減ってないからまだいいが、日に日に難易度は上がっていくんじゃないだろうか。
あとは未丈ヶ岳まで行くのみ!だいぶ近づいてきたw
もう危険なセクションはないので快適な広い雪稜歩き。山頂直下も雪が付いてて藪漕ぎにはならなそう。
と思いきやなんだか足がおかしい。さっきからピクッピクッと今にも攣りそうな雰囲気。そしてそれは山頂直下の急斜面をプチラッセルしてる時についにキタ!
いまだかつてないほどに足が攣っている。もう動くことすら出来ない程に。もがいてると抜いてきた後続が追いついてきたので道を譲り、ひたすら回復を待つ。それもグッザグザの雪の急斜面でorz
まさかここまで来て敗退か?!いやいや、それはないだろうとムキになって無理矢理足を動かすと取り返しのつかない事に…
悶絶。その言葉しかない。10分くらいその場で悶絶してただろうか。とあるポーズをとると少しはマシになる事に気付きそのポーズでもう5分。なんとか動けるようになり山頂に行く事が出来た。
本当にヤバかったし周りに人がいなければ発狂して叫んでいただろうな〜。それくらいヤバかった、本当に。
まぁ原因は分かってる。塩分を一切取らずに行動していたからだ。水分はコーラ1本。行動食はアンパン2個。気温も20°C近くまで上がり、途中からハイカーの先頭になり微妙に足を取られ消耗していた。もちろん休憩も無し。
やっちゃってるよな。これじゃダメだ。毎年冬から汗をかくこの時期にシフトする時、同じミスを犯してる気がする。大いに反省、対策をしなければ。あんなド級の奥地で動けなくなったらどうにもならないしねww
ここは雪が解けると草原になって気持ちいい場所らしい。未丈ヶ岳の夏道は別にある。
毛猛山に続く稜線。繋げたら相当タフな展開になりそうだ!
山頂にはペアが4組、ソロは自分だけ。その中の1人がしきりに
「シャッター切りますよ」
と言うのでお願いしたらコレですわ…
もう「知らないオッちゃんに挟まれる俺」みたいな感じ。詰めが甘いぜ〜オッちゃん!w
と言うわけでコッソリ近くの人に再度お願いして。大好きな裏越後三山と一緒に写れるなんて幸せだな!
マッサージとストレッチ、ようやく動けるようになったので出発。帰りは下りの方が多いのでいくらか気も楽。あそこ以外は…
見えてきた…
例の核心部。今度は登りです。攣り癖が付いてるハンデ持ちなので余計に緊張する。しかも午後になって気温も高くなりさらに雪が腐っている。小股でゆっくりと…藪を掴み体を引き上げる。あくまで足に負担をかけないように。
なんとか安全圏に到達しホッと胸を撫で下ろした。雪の不安定要素は本当に怖いね。
雪庇とクラックに気を付けつつ日向倉山に戻ってきたのは14:00くらい。
午後になると越後駒ヶ岳と中ノ岳が日差しの関係で銀白に染まるってネットに出ていたけどまさにそれ。
それを常に正面に捉えつつ歩ける喜び。最高すぎるじゃないか…。
で、その最高な景色に見とれていたら目星を付けていたテン場を通り過ぎてしまった訳ですよ。いつの間にか隣の赤崩山に来てしまった。あの場所に戻るにはまた登り返さなければならないし…
そう思っていたら一気に幕営スイッチがオフになり下山へのモチベーションが…!足の事もあってここまで歩いてこれたからもうお腹一杯だったのかなんなのか。明日は天気微妙らしいし。まぁこんな時は仕方ない、帰ろ。
行きに登った支稜は雪質上、高速下山路と化していた。わずか15分!
それに夕陽に照らされた荒沢岳ときたら…今年こそ裏越後三山に行くしかない!
降りてきたのは16:00過ぎ。春の陽気の中、ゆっくり下道で湯沢まで行きそこから高速。関越トンネルを抜けた時のグンマーの天気の悪さに閉口しつつ谷川SAでカツ丼食って帰宅した。
ってかこの日は谷川岳から上越国境稜線上はびっしり雲に覆われていたみたい。面白いようにそこだけ。という事はどちらにしてもネコブ山はアウトだった訳だ。
今回は軽くしたとはいえ1泊の装備を担いでの修行でしかなかった。でも行きたかった残雪のルートを一つ消化できた事の満足感はかなり感じる。ミネラル不足を引き起こすのは問題外だが!
そんな事を上で飲むはずだったビールを家で消化しつつ感慨深く考える土曜の夜だったw
おしまい
by gyalic_18000
| 2016-04-03 17:28
| 新潟の山
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