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中ノ岳

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まだまだ雪と戯れてます。






越後三山の最高峰、中ノ岳に行ってきました。この山、僕にとってはトラウマな山で、もう6年くらい前になるんだけど腸脛靭帯炎で地獄をみた山。今思えばUL装備に目覚めたきっかけになった山でもあります。GWも明けてそろそろ雪山の締めにしましょうってことで。

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団長と三国川ダムに前日入りして朝7時くらいにスタート。今回は宴会装備を担いで中ノ岳避難小屋に泊まり翌日ゆっくり下山するってスタイル。要は明るいうちに中ノ岳避難小屋に着けばいいのでゆっくり目の出発。まずは冬季通行止めになっているしゃくなげ湖右岸の車道を十字峡に向かいます。

この時点で上越国境稜線はしっかりと見えてます。予報より雲が多い気がするのは気のせい・・・か?

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ところどころ雪崩れてデブリが残ってるけど通行に問題は無し。

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50分くらい歩いて十字峡の登山口に到着。6年前は足を引きずってここに降りてきた。今日は営業してないけどここの売店で飲んだコーラの味たるや半端じゃなく美味かった記憶がw あの時の地獄の下りを登る時がくるなんて当時は思ってもみなかったよな~

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最初は6年前と同じ利根川源流碑を見に丹後山から登って大水上山、兎岳、中ノ岳とラウンドしようと思ってたんだけど、やっぱり三国川林道に発生しているこのデブリが・・・。毎年こうなるらしいんだけど今年は特に危険ってネットに出てた。仮に突入して足を滑らそうものなら雪解けで増水した三国川に引きずりこまれ・・・

まぁ想像に容易い事態が待ってますね。いつかは越えていきたいけどペーペーの自分らには今じゃない。見学だけして中ノ岳へと向かいます。

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さすが越後の山、マイナーだけど傾斜が半端ない。一合目~二合目間は特にきつくて二人揃ってのっけから足が終わってて全然歩けず。よく考えたらGWの塩の道から1週間も経ってなく仕事もしてたので睡眠もたっぷりとれてない。多分疲労が抜けてないってことだな。ん~そういうことにしておこうw

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五合目になる日向山直下まで来ると残雪のトレイルになる。同時に雨が降ってきた。それも黙認できないレベルの。久しぶりに持ってきたMontane ミニマススモックを着込みアイゼンを装着し出発。今思えばアイゼンは無くても多分大丈夫だったっぽい。

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レインウェアと言えば団長のOR ヘリウムⅡ。僕のミニマススモックと同じPERTEX SHIELD+のはずなのに随分と保水していた。言ってしまうと撥水していない感じ。何かが違うんだろうか?団長は来週ハイカーズデポでそこん所を聞いてくると言っていた。

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バックのネコブ山、下津川山~巻機山の稜線、朝見えてた丹後山や本谷山はことごとくガスに飲み込まれようとしている。先行者が4人いたのでそれだけで前に進む気になる。あぁ、先行者がいるなら行けるでしょって感じで。

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日向山に到着。進行方向に中ノ岳が見えるはずなんだけど完全にアウト。この状態、いつもなら撤収して飲みに行っちゃうか~ってなるはずなんだけど今回は違った。4月末の柄沢山にすら辿りつけず敗退ってのが頭をよぎるし、ここまで来たなら小屋まで行っちゃった方が良くない?って気持ちもある。そして視界に捉えた先行者の姿。

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結局向かうことにした。これが苦行の始まりだとも知らずに・・・。

雨は強くなる一方でさらに視界が悪くなる。七合目からの急登にやられ気温も低い。finetrackのストームゴージュアルパインパンツを信頼しすぎてレインパンツ履かなかったら下半身ずぶ濡れ。唯一の朗報が先行してた4人がデイハイクだと知り小屋の貸切を確信したことか。

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9合目池ノ段から怖い雪庇が出てきたりしたけどようやく山頂へ到着。まぁ何も見えないのですぐそばの避難小屋に直行した。

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まだ全開放してないので入口は二階の窓から。

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分かりきってたけど誰もいない。濡れた衣服を干して保険で持ってきたダウンで身を包む。正直、小屋泊だし天気もそこそこだしキャプ4上下にミニモキルトで問題ないでしょ~と思ってた。でも何かあったら・・・で、ナノパフとダウンパンツ、シュラフはナンガを持ってきた。本当に持ってきて良かった!小屋の中は10度くらいしかないし。危うく室内で凍えるところだったよ・・・

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とりあえず持ち込んだ宴会装備で乾杯。外は全然ダメだし室内に延々とこもるしかない。いつかの本沢温泉のツェルト内13時間耐久に比べればまだマシだけど精神的につらい。やっぱり撤退して飲みに行けば良かったよな~と団長と10回は言ったねww

夜になっても回復の兆しゼロ。酒も飲み干し21時半くらいに寝ることにした。翌朝の天候回復に賭けて・・・。



23時すぎにイヤホンを外して寝に入った。ちょうどその時くらいから風が強くなってきた。それはどんどん強くなり今までに体験したことのない程の強風に・・・!鉄筋造りの小屋が軋み唸り揺れる。暴風が小屋に当たり鳴り響く聞いたことのない風切音。

それはもう恐怖だった。外に置いてきてしまったポールとアイゼンが吹き飛んでいたらどうしよう、明日になってもこの状態だったら下山出来ない、その場合どうやって下界と連絡を取ろう、食料は・・・水は・・・色々な問題が頭をよぎりまーったく眠れない。日向山での判断が悔やまれる。

自分らの経験上、山での暴風雨は朝方になると収まるのがセオリーだと思ってたけど今回のは朝になっても収まる気配がない。夜が明けた5時くらい、コーヒーを淹れて今日どう動くか検討する。なんとか電波の入る時間を使ってテンクラにアクセスすると9時くらいに雨は止むみたい。でも風は収まりそうもない。

とりあえず8時くらいに撤収準備を始め9時過ぎたら風の収まるタイミングでなんとか下山するしかないって結論に至った。・・・はずなのにそこはせっかちな二人、7時過ぎて本当に若干なんだけど風が収まった気がした。もうこれ好転しないでしょ!ってことでさっさと荷物をまとめ8時過ぎには出発w

DRIDUCKSの不織布レインパンツ、ナノパフも着込む。外は冬の様相で出入り口も凍って開け辛い。そこら中で霧氷が出来てるし。外に置いておいたポールとアイゼンは無事だったけどカチカチに凍りついてたw

心配してた風は強いものの耐風姿勢を取る!というほどではなく普通に歩ける。なによりナイスだったのは雨が止んでいたこと。これは本当に助かった。前日のトレースも消えてなかったのでなんとか安全圏だと思ってた日向山まで降りてくることが出来た。

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もう安堵しかない。十字峡まではまだ半分くらいの行程が残ってるけど、夜のあの状態の事を思い出すと下山が視野に入れられるこの場所に辿り着けた事が嬉しくて仕方ない。

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うっすら明るくなったり。

危険個所としては最後になる日向山直下の残雪を慎重に下りようやく夏道に合流。ここまで来ればもう大丈夫でしょう!

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相変わらずガスガスでほとんど眺望は無いんだけどね。

スノーブーツのソールで赤土のトレイルが滑りまくってウンザリだったけど無事十字峡に下山、車道を歩いて車まで戻ってこれた。

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下界もやっぱり雲が多かったみたいですね。なにより風が強くて寒い。下界でこれなんだから上はあんな状態で当然だったんでしょうね~。群馬まで帰ってきてピーカン晴れだったのは凹んだけど風は強かったからどこいってもある程度はキツかったでしょう。トンカツ食ってお開きに。

まさかの天気で苦行のようなハイクになってしまったけどこれで今シーズンの雪山は終わりかな。世話になったアイゼン、ピッケル、ブーツは手入れして来シーズンまで眠っててもらいましょう。

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おしまい




by gyalic_18000 | 2015-05-11 17:55 | 新潟の山 | Comments(0)

記録用の備忘録。文才無し!故に文章長い!


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