上越県境稜線(敗退編)
2015年 04月 27日
残雪期の新潟へ繰り出す。
かなり春めいてきて雪に閉ざされてたエリアも残雪期の山として行ける季節になってきました。残雪期の上信越県境を歩きたい!というのはずいぶん前から思ってた。残雪期じゃないと歩けないこのエリア、もちろん猛者は夏だろうが藪を漕いで突入するんでしょうが僕らはヒヨッコなので藪のない今がいい。
当初、1泊で十字峡から下津川山をピストンしてくる予定だったんだけど団長の急な仕事により土曜のデイハイクになった。いくつかの候補の中から選んだのは清水から柄沢山に登り巻機山へ向かう。そして井戸尾根を使って下山してくるというルート。
正直、自分らレベルには敷居が高そうな気が。でも弱腰になっていつまでも安全策を取ってると成長しないので最大限の注意を払いつつ突入することにした。ちょっとでもヤバいと思ったら撤退すればいいだけの事だし。
夜のうちに清水に入り朝5時に出発。のっけから大量の残雪が出迎えてくれます。
歩いてるのは涸沢川の上。雪渓の下にはかなりの水量が流れてるからそれなりに怖い。もし踏み抜いたら~なんてことはほぼ無いんだけど。
確実に雪融けは進んでます。こんなブロックが崩れてきたらひとたまりもない。小さな雪崩の跡がそこかしこにあった。
涸沢川を奥まで進んでいくと大きな二股にぶつかる。下調べでは大体の人は進行方向に対して右の沢から稜線を目指すみたい。ここでエキスパートぶっても仕方ないので素直に右俣へ入る。ここから一気に傾斜が増していきます。
アイゼン履いてアタック開始。沢を詰めていくと正面から行くか樹林帯に逃げるかで迷う。どちらもかなりの急傾斜だけど樹林帯に逃げることにした。正面の源頭部分は見上げた感じ壁のようにそそり立ってたので。
まぁだからと言って楽な訳はなく、ひたすら登っていきます。朝一なので雪も程よく締まっててアイゼンが良く効く。滑りだそうものなら止まらないくらい急なので一歩一歩確実に。
ようやく稜線へ。雪庇はほとんど落ちてて端に行かなければ危険はない感じ。団長は体調がイマイチらしく登りが辛そうだった。そんな状態になるの久しぶりだね~
正面に谷川馬蹄形、前に登った大源太山が厳つい。そして雪山でやってはいけない忘れ物・・・サングラス。今回は日焼け止めに気を取られて忘れてしまった~この時点でかなりつらい。
稜線を忠実に辿るとこんな藪がちょこちょこ出てきます。進行方向に対して向かってくるように倒れてる藪なので半端なく煩わしい。北面の斜面をトラバースすれば藪漕ぎは最小限で済みそうです。
この斜面を登りきると25000分の1地図でいう柄沢山西の1620m地点へ着く。雪の登りは一気に高度が稼げる分、傾斜がきついのでいいトレーニングになりますね~w
この1620m地点は極上のフラットで眺めもいいしテン場にちょうどいいです。まぁこんな中途半端な場所でテント張る人もなかなかいないと思いますが。
さて、正面が柄沢山方面なんだけどずいぶんと藪が出てるんだよな~。1週前にここ通った人のレコ見た時はもっと雪があったはずなのに。団長としばしルート検討。
柄沢山までは藪を漕いで登ったとしても一体どれだけの時間が掛かるんだろう。デイハイクだから時間も限られてるし先も長い。とにかく見た感じかなりの藪漕ぎになりそう。という訳で西側からじゃなく北面に回り込んで雪の塩梅を確認しに行くことにした。
で、この北面に行くのに50m位の藪漕ぎがあってこれがまた半端ない。背丈をはるかに超える笹藪で所々に生えてるダケカンバがまた厄介。これが本物の藪漕ぎか~と辟易しつつなんとか突破。同時に夏場に藪山に行く人の精神力ヤバいなーと感心しましたよw
藪を抜けて急斜面を詰めていくと柄沢山は北面の雪もかなり融けてて藪が出てるのが確認できた。ん~最悪柄沢山はパスして県境稜線に直接出るのも有りかもな~。よく見るとちょうど同じ高さで藪が無く、上手くトラバースしていけば最小限の藪漕ぎで稜線に出れそうなラインが見えた。
行くしかないか。でもこのトラバース、斜面の角度が尋常じゃない。滑りだそうものなら絶対に止まらない。見た感じそれが延々と続いている。ここまでトレポだったのをピッケルに持ち替えいざ!と思ったのも束の間、陽が出て気温が上がったことにより雪が腐り始めてアイゼンが効きづらい。そして・・・
頭が真っ白になる。アイゼンが両足効かず滑り始めた。ピッケル刺すもザラメ状で効かない。ヤバい!マジでヤバい!・・・が、団長が止めてくれたことにより助かった。すぐに安全圏まで戻り気持ちを落ち着かせる。
滑落というのはこうやって起こるんだなと。行けるか行けないか。その瀬戸際の角度を見誤ったんだろう、重大な事故にならなくて良かったけど猛烈に反省。あの斜面は多分確保が必要なレベルだったと思う。やっぱりこのレベルの雪山はソロで来ちゃあダメですね。また一つ勉強になった。
とりあえずここに戻ってきた。もう二人の心は決まっている。ここでのんびりして撤退しましょうと。今から藪を漕いで無理矢理柄沢山まで行ったとしても巻機山まで行って明るいうちに下山出来るのか?柄沢山ピストンで往復藪漕ぎは正直ウンザリでしょ~?1泊なら間違いなく漕ぐけどね。そんな感じ。
今日清水から県境稜線に行くなら涸沢川左股の稜線か威守松山から同稜線にアクセスするかでしたね。実際遠目に一人歩いてたし。あっちは傾斜も緩くて藪も少なそうで良かったな~。そこが失敗。
いつものカップラーメン食べて1時間以上ダラダラして下山。帰りは行きに使わなかった正面の源頭部からダイレクトに下ってみた。
雪がザラメになってるので蟹歩きで。BCの人はこの傾斜でも滑っちゃうんだろうか?もしかしたら自分らが過剰にビビってただけかもしれないけど一度滑り出したらブレーキ掛けられないような・・・。経験積めばもっといい感じに下れるようになるんだろうか。
ここまで下ってくればもう一安心でしょう。踏み抜きに注意してちょうど12時に下山完了。下から見上げる柄沢山は確かに雪が少なかった。
今回は完全敗退した訳だけど色々と勉強になることが多い山行だった。とにかくこのルートはもう少し早い時期じゃないとダメですね。例年はどうなのか知らないけど。
今日経験したことを糧に次はGW明けの土日1泊でまたこっち方面に帰ってくる予定。もちろん安全第一で!当たり前の事だけど本当に大事なことだと思い知ったので。それと藪漕ぎ。もうちょっと根性入れないとダメですね~やっぱり・・・。
この間のoff the gridで手に入れたgreat cossy mountainのガサゴソバッグ。お風呂に最適じゃないですか!キューベンファイバーのレジ袋ってのが素敵。見た目はただのレジ袋だけどね。他にはないでしょう?こういうプロダクト。最高です!
怖い思いしたけどやっぱり残雪の新潟はヤベーでおしまい
by gyalic_18000
| 2015-04-27 15:46
| 新潟の山
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